アトリエのある田園住宅
東側へは住居部分となっており、1階には近隣からもアクセスしやすい位置に家族が集まるキッチンダイニングが配され、ここから1階東側の和室や、2階のリビングおよび個室へ繋がっている。岩手県の田園風景が拡がる緑豊かな地に立てられた住宅。アーティストのためのアトリエも備え、二世帯が住む住宅となっている。
高速道路の建設にともなって、立ち退き移転をするために新たに計画された住宅である。元の住宅がある場所から少し離れた丘の上に広がる田んぼを新たに購入して敷地を改良して住宅を建設した。したがって、敷地の南東側には田んぼが拡がり、北側には防風林が立ち並び、雄大な環境の敷地となっている。
設計当時はクライアント家族がそれぞれイギリスとニューヨークと岩手に離ればなれになっている状態で、インターネットによるプレゼンテーションとスカイプによる打合せで進められた。
木材を釘を使わずに積み上げるアーティストの作風や、田園風景の環境がデザインの大きなインスピレーションとなっている。その雄大な広がりの中で、それに負けない大きさと長さを持つボリュームを布置することによって、環境に対峙するのでもなく、あるいは環境に同化するのでもなく、自然に寄り添いつつも毅然とした存在感を持つようなスケール感を模索した。 西側に位置するアトリエ部分は、約10メートルの天井高となっており、資材置き場としてのロフトも用意された。また、建物中央部分はトンネル状のピロティとなっており、資材搬入や冬の積雪時のアクセスを考慮している。
一方、中央部分から