法的な制約や周辺環境の条件を逆手にとった住宅
敷地のロケーションは、行き止まり道路の突き当たりにあり、南側には隣接した住宅が接している。さらに東側の隣接した敷地は一段高くなっており、擁壁と住宅が立ち並ぶという環境に取り囲まれた状況である。北側からの斜線制限も厳しく、地上に素直に建てる形では階高も面積も十分に確保できないという条件であり、非常に難しい設計を強いられたプロジェクトであった。
こういった悪条件をいかに逆手にとって、良い条件の住宅に仕上げるか、、、
が、一番のポイントとなった住宅である。
まず、十二分な要求面積を確保するために、半地下の駐車場と寝室を確保し、階高を確保するために、北側の床レベルを下げることによって、1〜2階の階高を確保する方法をとった。さらに、南側に隣接した住宅があるために南面採光は期待できなかったために、中庭型のプランを採用し、中庭を中心に家全体に採光が行き渡るように工夫をした。
リビング、ダイニング、キッチンは1階に配置し、中庭をぐるりと囲うように配置することによって、採光の確保と同時に、視線の行き交いと気配が感じられるように工夫をこらした。また、特に地下1階、1階、2階それぞれの必要とされるプラン形態がことなるために、地階から1階へは直線階段、1階から2階へは螺旋階段によって上れるようになっており、限られたスペースの中で、いかに有効に階段を配置するかがポイントとなった。