閑静な住宅街に立つこの住宅は、海外駐在から戻って来たばかりの4人家族のための住宅である。
施主は、広々とした海外の住宅に慣れたころに帰国となり、日本の狭い住宅事情に戸惑いもあり、既成の戸建て住宅やマンションでは満足できずに一から設計をして住宅を建築することを決めた。
したがって、平面的にも、断面的にも、日本の限られた土地事情のなかで、いかにしてゆとりある住まいを実現するかが一番の課題であった。
また、「全館空調」を採用することによって、24時間、1年間、どの季節においても、常に快適な温熱環境となるような計画となっている。
木造の2階建てであるが、形式としては、中庭を囲んだ形となっており、一階はエントランスから個室や駐車場が配され、2階にはリビング・ダイニング・キッチンを中心としながら、中庭に面したテラスや子供部屋が配され、家のどこかれでも気配が感じられるような構成になっている。また、2階のLDKの天井は3.5メートルを確保し、さらにトップサイドライトによる開口により、広々・伸び伸びとした空間が実現した。