Lakeside View House
小さな湖を望む家
ゴルフ場横に広がる別荘地における計画である。平日は都心のマンションに住み、週末は家族でアクアラインをわたって別荘ライフを楽しむ。

丘陵地域を20年かけて切り開いた別荘地であり、等高線に直行するように敷地を区割りして、どの敷地からも景観が広がる。いくつかの候補の中から選ばれたこの敷地は、なだらかな傾斜の道路に面したており、手前の小さな湖を見下ろし、そしてダイナミックに遠景への景観が広がる敷地である。

従って、この計画ではこの景観をいかに取り込むかが主題となった。別荘地のルールとして、景観を重視して6メートルの高さ以内に収めることが求められていたことから、道路の傾斜に合わせて屋根の高さもなだらかに傾斜するようにボリュームが計画された。その天井高がさがった南側に、吹き抜けのリビングを設けて、南西側に広がる大開口がその絶景を取り込む。壁の配置により微妙に近隣の家が目に入らぬように配慮しつつ、斜面に平行にダイニングおよびテラスが並ぶことで、このLDKのどこからでも南西の景観を存分に味わうことができる。

吹き抜けを上がった2階には、浴室や洗面、あるいは三つの寝室が設けられており、ゲストや様々なシチュエーションに合わせた使い方ができるようになっている。そして、登り梁がリズミカルかつ軽やかに空間をもちあげて、限られた高さ制限にもかかわらず、落ち着きのある広がりをもたらしてくれる。

そして、東側の道路側に朝日が昇ると、この南西側の景観は太陽に照らされて浮かび上がる。そして、日中の太陽の動きとともに景色は刻々と変化し、夕刻には夕焼けに包まれる。

そんな大地との対話、都会では味わえない大自然と一体化した暮らしがここにある。
Project Data
プロジェクト名:Lakeside View House
竣工年月:2022年12月
カテゴリー:住宅
敷地面積:581.83㎡
建築面積:94.37㎡
延床面積:149.05㎡